37要項 あいさつ 1分科会 2分科会 3分科会 4分科会 5分科会 6分科会 7分科会 8分科会

                                                          

第一分科会  部落の歴史      

今村家と崇仁

     〜今村家文書の研究から〜   


  会場 京都会館第1ホール

 

 15代続く旧家・今村家には、古くは1531年(享禄4)から近代まで約400年間にわたる文書3000点余が残されていました。今村家は柳原庄(現在の崇仁地区)の庄屋を務めていたことから、同家が深く関与してきた崇仁地区の歴史的な歩みが、これらの文書群から明らかになりつつあります。今村家文書は、被差別部落の形成・発展史を知る上できわめて貴重な史料だと言うことができます。

 また、これらの文書群からは、封建制下の《身分》を超えた人間同士の交流をもうかがい知ることができるのです。例えば、近代初頭における今村忠右衛門と桜田儀兵衛の関係がそれです。庄屋の忠右衛門が、柳原庄の村民である儀兵衛を助け、ある時は励まし、ある時はアドバイスし、間接的ながら被差別民の自主的な努力を支援する…。これまでの私たちの認識では、庄屋というものは部落民衆をいじめたり蔑んだりするのが当たり前とされてきたのですが、必ずしもそうではない実態があったようです。

 この今村家文書については、柳原銀行記念資料館と今村家文書研究会が研究を重ねてきた成果を、NPO法人京都人権啓発センター・ネットからすまが、時代区分ごとにとりまとめる作業を進めています。本分科会では、中世から続いた今村家と崇仁地区との関係を文書解読を通して明確にし、とりわけ今村忠右衛門と桜田儀兵衛の微笑ましいほどの人間関係に着目することを通して、部落差別の「過去」そして「現在」を議論したいと考えています。

戻る