かつての部落の劣悪な住環境は、環境整備事業を中心にした事業の推進により、大きく変化をとげました。しかしながら、その変化は住環境のみならず、部落の人々にも大きく影響を与えました。部落外への人口流出が高齢化と貧困化に拍車をかけ、地域コミュニティの弱体化、教育や就労等、深刻かつ多様な問題をかかえているのが今日の「部落の姿」です。
このような部落の現状と課題を考えずに、新しいまちづくりを創造することはできません。今、「部落のまちづくり」には何が必要で何を実行しなければならないのか? まちづくりをすすめる上で、十分に議論すべきではないでしょうか。本分科会では、これまでにこのような部落の現状と課題について議論し、認識を深めてきました。
その認識の上に立って、新たな「住み続けられる魅力あるまち」を、かつての行政主体のまちづくりから、住民主体のまちづくりへ、住民と行政とのパートナーシップによるまちづくりを展開しようとしています。具体的には、単に住宅の建替えを契機にしたまちづくりだけでなく、既存のストックの活用を含めた多様な世代が住める住宅の供給等、また周辺の住民を含めたコミュニケーションを創り上げようという取り組みがなされています。
本分科会では新たなまちづくりの実践とアイディアを提案し、皆さんと一緒に認識を深めていきたいと思います。