第 37回部落解放研究京都市集会
実行委員長 堂 上 英 樹
皆様方におかれましては、部落差別の解消をめざし、人権にかかわるあらゆる問題の解決に向けて、それぞれの地域や職場でご尽力され、さらには子どもたちにとりまして人格形成の基盤でありますご家庭におかれても、有為な存在でありますことに対し、心から連帯のご挨拶を申上げます。
さて、第37回部落解放研究京都市集会が、皆様方のご尽力によりまして開催できますこと、心よりお礼申上げます。
本研究集会は、国民的課題であります部落差別の解消をはじめ、あらゆる人権問題の解決をめざす市民集会として、継承・発展して参りました。今大会のスローガンは、メインテーマを「人権・環境・福祉を大切にし、あらゆる課題の原点を見つめ、差別のない社会の創造をすすめよう」と設定しました。
さてご承知のように、同和対策特別措置法は2002年3月31日をもって終結しましたが、1965年8月に出されました同和対策審議会答申には、「部落差別が現存する限り、同和行政は積極的に推進されなければならない」と明確に指摘されております。国においては、特別措置法が終結する5年前の1997年7月に「人権教育のための国連10年に関する国内行動計画」を策定し、「行動計画に掲げられた諸施策の着実な実施等を通じて、人権教育の積極的な推進を図り、もって国際的な視野に立って一人一人の人権が尊重される、真に豊かでゆとりのある人権国家の実現を期する」こととしています。今年度、京都市では人権施策をより総合的、効果的に推進するため、今後の人権施策の基本方針等を示す「京都市人権文化推進計画」が策定されました。
しかしながら、人権問題に関する市民意識はかなり高まってきたとはいえ、現実には、部落差別につながるおそれのある身元調査、差別落書き、インターネット上の掲示板等への差別表示の掲載など、深刻な人権侵害につながる陰湿な行為が跡を絶たない状況にあります。
本集会は一貫して、部落問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決をめざす市民集会として、「人権尊重のまちづくり」を提唱し、その方向性やあり方を追究して参りました。今回の集会でも、厳しい現実を直視し、各分科会で私たちがめざす方向や具体的な取り組みを明らかにする活発なご討議を期待したいと思います。
以上、第37回部落解放研究京都市集会の実行委員会を代表してのご挨拶と致します。
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