部落の劣悪な住環境や生活実態が差別を生み出す一つの要因であるとして、オールロマンス差別事件(1951年)を契機に、環境整備事業を中心に事業・施策が進められ、部落は変化をとげました。しかしながら、部落の姿は変わりましたが差別はなくなったでしょうか? 悪質な差別落書き事件、司法書士や行政書士など特定の職種に就く者が職権を利用し、不正に戸籍謄本などを取得して身元調べに利用するといった事件、「電子版・部落地名総鑑」の発覚といったように、今なお、部落差別は社会に根強く実在しています。
今日、人権意識の高まりと同時に、すべての問題が人権一般化されました。どの人権に関わる問題にしても優劣をつけることはできませんが、まだまだ部落差別、同和問題に対しては、ネガティブ(消極的)なところがあるのではないかと思います。あらゆる差別や人権侵害を許さず、すべての人々の人権が確立した社会をめざすためにも、一人ひとりがポジティブ(積極的)な姿に転化していかなければならないと思います。
第1分科会では、広範な視野に立って、さまざまな啓発活動の実践をとおして、今後、部落差別を解消するために何を発信し、どのような啓発活動を展開していくのか、参加者のみなさんと一緒に認識を深めていきたいと思います。
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