第50回人権交流京都市研究集会
実行委員長 澤田 清人
第50回人権交流京都市研究集会にご参加されました皆様方におかれましては,日頃より,部落問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決に向けて,積極的に活動されておられること,また人権尊重の社会の担い手である子どもたちの健全な育成に学校や家庭・地域において大きな責務を果たされておられることに対しまして,心より敬意を表します。
さて,1970年に第1回部落解放京都市研究集会として発足した本集会は,2008年の39回大会からその名称を人権交流京都市研究集会へと変更しながら,部落問題をはじめあらゆる人権問題の解決を目的に,より広く人権について共に考える市民集会として充実発展してきました。
私事になりますが,私は,これまでの教員生活のうち20年間を校区に被差別部落のある学校に勤務しました。荒れる中学生と向き合い,保護者や地域の方と話をする中で,徐々に部落差別の本質に気付くことができました。そして,同和教育が特別な教育ではないこと,当たり前の教育であることを理解しました。
社会に世代交替の大きな波が押し寄せています。時代と共に,学校を始め多くの職場において,人権教育とりわけ部落問題が研修材料として取り上げられる機会が減少しつつあるように思います。こういう時だからこそ,人権教育の基本的な考え方を若い世代に受け継いでいかなければならないと感じています。特別なことをしようとは思っている訳ではありません。部落問題,外国にルーツのある人の問題,障がいのある人に関する問題,性の問題や老人の問題、児童虐待や貧困の問題など,今も社会には様々な立場にある人が居り,そこに問題が起こっています。これらの様々な問題を解決に向かわせるための第一歩は,それらの人々が腹を割って話し合う(交流する)ことだと感じています。本集会の本質は「交流」です。社会にある様々な立場の人たちが,その違いを正しく理解し,認め合ったうえで交流できたときに,不幸にも人と人との間にある「差別の壁」は低くなるのだと信じます。
本集会は,今年度記念すべき50回目を迎えました。これまでの実績と成果を受け継ぎ,様々な人権課題の解決をめざして取り組んでおられる多くの方々との交流・相互理解・連帯を深めるとともに,本集会のスローガン「めざそう!共生・協働の社会創造」の実現に向けて,それぞれの立場で議論をしていただきますことをお願い申し上げます。
以上,第50回人権交流京都市研究集会実行委員会を代表してのごあいさつとさせていただきます。
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