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 ごあいさつ

第53回人権交流京都市研究集会

 実行委員長 大西 一幸   

第53回人権交流京都市研究集会にご参集されました皆様方におかれましては,日頃より,部落問題をはじめ,あらゆる人権問題の解決に向けて,それぞれの地域や職場において積極的に活動されておられること,また人権尊重の社会の担い手である子どもたちの健全な育成に学校や家庭・地域の連携の下,大きな責務を果たされておられることに対しまして,心より敬意を表します。

本集会は,1970年に,第1回部落解放京都市研究集会として産声をあげ,2008年の第39回大会から,その名称を人権交流京都市研究集会へと変更し,部落問題をはじめあらゆる人権問題の解決を目的に,より広く人権について共に考える市民集会として充実・発展してきました。

さて,2022年3月3日には,全国水平社創立100年の節目を迎えます。

現在,京都市が使用しています小学校6年の社会科の教科書には,1922年3月に京都市岡崎の公会堂で,全国水平社の創立大会が開かれたことや少年代表者である16才の山田少年が「差別を打ち破りましょう。そして光り輝く新しい世の中にしましょう。」と呼びかけたことなどが紹介されています。また,中学校や高等学校の社会科の教科書には「水平社宣言(一部要約・抜粋)」も掲載されています。

では,部落問題は解決したのでしょうか。「見えにくくなった」という声を聞くこともあります。果たして実態はどうなのでしょうか。インターネット上での差別的な書き込み,土地売買に関する差別的な言動など,依然として部落差別は根強く残っています。特にインターネット上においては,顔が見えにくくなった分,悪質で巧妙な書き込みが増えています。他人の言動につられて簡単に同調した書き込みをしてしまうことの危険,そしてその間違った内容がいつまでもインターネット上に残り続けてしまうことの危険をこのまま放置しておいてよいのでしょうか。また,在日外国人に対するヘイトスピーチ,障害のある人々に対する差別,女性蔑視の発言等,人権を侵害する出来事も身の回りで起こっています。このような時であるからこそ,今一度,人権問題が発生する社会の現実を自分自身との関係で捉え,自分に何ができるのかを問い直さなくてはなりません。

53回を数える今回の集会でも,これまでの実績と成果を受け継ぎ,様々な人権課題の解決をめざして取り組んでおられる多くの方々との交流・相互理解・連帯を深めるとともに,本集会のスローガンである「めざそう!共生・協働の社会創造」の実現に向けて,それぞれの立場で具体的な行動に結びつくような議論を繰り広げていただきますことをお願い申し上げます。

以上,第53回人権交流京都市研究集会実行委員会を代表してのごあいさつとさせていただきます。

 

 

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