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 ごあいさつ

49回人権交流京都市研究集会

 実行委員長 井川 勝   

  第49回人権交流京都市研究集会にご参集されました皆様方におかれましては,日頃より,部落問題をはじめ,あらゆる人権問題の解決に向けて,それぞれの地域や職場において積極的に活動されておられること,また人権尊重の社会の担い手である子どもたちの健全な育成に学校や家庭・地域の連携の下,大きな責務を果たされておられることに対しまして,心より敬意を表します。

さて,本集会は1970年に,第1回部落解放京都市研究集会として産声をあげ,2008年の第39回大会からその名称を人権交流京都市研究集会へと変更し,部落問題をもとより,あらゆる人権問題の解決を目的に,より広く人権について共に考える市民集会として充実・発展してきました。そして,いよいよ次回は,50回目の記念大会を迎えることになります。半世紀という長い歴史ある地域ぐるみ,市民ぐるみで創り上げてきた人権集会であります。

2016年12月に部落差別解消推進法が制定されて,1年余りが過ぎました。制定直後の前回の集会全体会では,基調提案,映画「部落ここに生きる」の上映の後,西島藤彦さんの「部落差別解消法とこれからの展望」と題した講演で学習しました。この法案は「部落差別が現存すること」と「部落差別は許されないものであるとの認識」を明確にし「部落差別の解消を推進し,もって部落差別のない社会を実現しよう」という理念の下,施行されました。施行後、文部科学省からは「学校教育における取組」には「人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせること等について指導することを通じて,部落差別の解消に向けた取組を推進」と示されましたが,背景には「学校教育における部落問題学習の後退」という実態があります。学校現場では,小学校6年生社会科の同和問題に関する学習で認識を深め,中学校社会科の同和問題に関する学習やホームルームでの同和問題に関する人権学活で,実践的態度の基礎を培う指導を進めてきました。しかし,インターネットやSNSによる部落差別やあらゆる人権侵害の情報が流布・拡散される世界に、児童・生徒が巻き込まれることを食い止めるには至らず、思うような成果を上げられず課題を残したままの状況です。法の制定は,これまでの取組を見直し,新たな視点を定めて,今後の部落問題学習の改善・充実に向かう大切な機会と考えます。

49回を数える今回の集会でも,これまでの実績と成果を受け継ぎ,様々な人権課題の解決をめざして取り組んでおられる多くの方々との交流・相互理解・連帯を深めるとともに,本集会のスローガンである「めざそう!共生・協働の社会創造」の実現に向けて,それぞれの立場で具体的な行動に結びつくような議論を繰り広げていただきますことをお願い申し上げます。

以上,第49回人権交流京都市研究集会実行委員会を代表してのごあいさつとさせていただきます。

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