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第47回人権交流京都市研究集会
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実践報告・協議 実践報告者 「韓国にルーツをもつA児に関わる取組」 藤井 峰子(京都市立醍醐小学校)
「外国にルーツをもつ児童生徒に対する日本語教育・学習支援の取組」 安里 和晃(京都大学大学院文学研究科 京都大学アジア研究教育ユニット) 助 言 者 安里 和晃(京都大学大学院文学研究科 特定准教授)
司会 中村 隆仁(京都市小学校同和教育研究会) 松川 敦子(京都市立中学校教育研究会人権教育部会)
記録 黒岩 寛史(京都市小学校外国人教育研究会) 佐藤幸大朗(京都市立中学校教育研究会人権教育部会)
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第4分科会【教育U】では,分科会テーマに「共に生きることをめざして 〜これからの人権教育の課題と展望を考える〜」を掲げ,「一人一人の違いを認め合い,すべての子どもが自尊感情を高めることができる学校づくり,すべての子どもの人権が保障され,アイデンティティの確立に向けて支援できる学校づくりをめざそう」を討議の柱として,2本の報告を受けて協議を進めた。 藤井 峰子さん(京都市立醍醐小学校 指導教諭)からは,「韓国にルーツをもつA児に関わる取組」として,韓国にルーツをもつ児童との出会い,児童に対する日々の継続した取組や児童会活動・人権学習の実践,実践を通しての児童の変容や課題についての報告があった。安里 和晃さん(京都大学大学院文学研究科 特定准教授)からは,「外国にルーツをもつ児童生徒に関する日本語教育・学習支援の取組」として,日本におけるフィリピンを中心としたアジア系移民の現状や支援のあり方についての報告があった。また,この報告では,学生ボランティアとして活動する伊藤志帆さん(京都大学アジア研究教育ユニット 大学院生)から,京都市立小中学校に在籍するフィリピンからの新渡日児童生徒への学習支援の取組についても紹介された。 2本の報告を受けて行われた協議では,韓国・朝鮮にルーツをもつ児童生徒やフィリピンをはじめ海外からの新渡日の児童生徒へ,どのような支援策がとられているのか,また必要なのかについて,様々な立場から意見交換がなされた。学校では,ケース会議を行うなどして,担任教員をはじめ多くの教員でチームを組んで対象児童生徒へのサポート方法を考え,組織的な取組を進めることが重要であることが確認された。これは,日本語指導が必要な児童生徒に対しても同じであり,日本語指導担当教員任せになることがないよう学校として体制を整え,効果的な支援策を考えていくことが必要である。 人権課題が多様化する中,子どもたちの教育に関わる教職員やまわりの大人は,自らの人権感覚を磨き続けることが大変重要である。外国人教育に関わっては,新渡日の児童生徒への学力保障など新たな人権課題に対しても敏感な感性を身に付けるとともに,常に人権教育の原点に立ち返って目の前にいる困りを抱えた児童生徒に焦点を当て,多文化共生を目指した取組を今後も推進していかなくてはならない。
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