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第35回部落解放研究京都市集会 第7分科会 解放教育U 「他者との共生をめざして」同和教育から外国人教育・多文化共生教育への道 司会:土佐雅一・水野博之 記録:若松栄一・金谷直樹 水道会館☆ 参加者数=89人
1:30〜 分科会の流れ、討議の柱、パネリスト紹介 実践報告「アンニョンハシムニカ」
在日韓国・朝鮮人児童が多く在籍する小学校での、4年生の地域を主題にした総合的な学習「アンニョン・ハシムニカ」の実践をお話しされました。 ・NPO法人 京都コリアン生活センター(エルファ)での在日一世の方々との出会い、交 流が、人権意識を育てていくきっかけとなった。 ・学習を積み重ねていくことで、自分が韓国・朝鮮人であることを主張できる子どもが増 えてきた。 ・中学校との連携が今後の課題。
日本でも本国でも差別をうけたこと。「いったい自分は何者なのか」「この社会に自分の居場所はない」と悩み、自殺を考えるまでに至るが、在日韓国青年同盟での同胞との出会いをきっかけに、自分のアイデンティティを取り戻したことなど、自身のこれまでをお話しいただきました。 ・現在の日朝関係が及ぼす、公立の学校に通う少数派の在日韓国・朝鮮人児童への心理的 影響。 ・三世四世の世代は日本人に最も近い生き方を選ばされてきた。 ・日本は国連からマイノリティのための教育環境が整っていないと勧告を受けている。マ イノリティの子どもを受けとめてあげられる周りの環境を作って欲しい。
Gさん(在日保護者)…本名指導を過去のものにしてほしくない。本名指導について先生方の主体性を見せて頂きたい。自分がクラス担任なら、通名で通いたいと本人や保護者が言っても自分がつらい。その自分のつらさを前面に出して関わることが、人間としてのあるべき姿ではないか。本名で通う子どもの存在が通名で通う子どもにとっても影響を与える。少数者が少数者として生き生きと過ごしていけることを大切にしていってほしい。今のニューカマーや在留資格のない外国人は何年か前の在日の姿である。自分が中学生の時の指紋押捺で在留資格のある外国人として日本にいられるということに優越感を感じた。マイノリティの人権を守られなければそのことで他の人権も必ず守られなくなる。
*感想(アンケートより) ・歴史の残酷さを思います。「違いを豊かさに」変えることを学ばさせていただきました。 山王小の報告について、総合学習で充実したものであれば、個々の子どもの成長や思い をどうしても知りたい。もう一歩踏み込んだ取り組みをしなければ本当に一人ひとりの アイデンティティを確立していくことに繋がらないのではないか。京都も他府県からも っと学ぶ必要がある。 ・李さんのお話は、心痛むものでした。在日の保護者の方々から多くのことを教えていた だきながら、在日の子どもたちの心の奥深い部分を、自分は、どれだけわかっていただ ろうか。在日の子どもが本名を使えないのは、日本社会の根本的な問題です。李さんや 在日のお母さんが繰り返し訴えられた言葉を決して忘れることなく、日本社会が間違っ た方向へ進むのを少しでも止められるような人を育てていきたい。 ・李さんの報告、心に響きました。学校教育に関わっているものの一人として、在日外国 人の問題を常に忘れることなく、違いを差別することなく、豊かさとして認められる人 間の育成をめざして私自身も学びながら教育を進めていこうと強く思います。 ・毎年参加しながら考えさせられる所が多く、自分自身の学習に刺激を与えて下さりあり がとうございます。前向きにがんばりたいです。 ・自分が教育を預かる教員として、責任ある立場にあることを、当たり前のことですが、 改めて痛感しました。今後も学びを怠らないようにしたいと思います。 ・自分の体験からお話しされたことによって、知り得なかった事を学び取ることができま した。また、様々な立場からの話に、納得したり、「そうなんだ」と感じたりすること ができました。 ・討議の時間が少なかった。報告2本でもよかったのでは。問題提起されたことの答えを 作り出そう。
・教師として同和問題、外国人問題に対して何をしていかなければならないか見えたよう に思います。 ・すばらしい発表、意見交換の場で、参加してよかった。今行われている人権教育が形式 的なものになっているように感じました。自分の勉強不足を感じ、学ぶことの多い会で した。 ・李さんの話を京都の人権教育の現状として受け取るべきである。李さんが受けた差別や 暴力の責任は、一人ひとりの教師が受け止めなければならないが、方針を出しながら外 国人教育を真剣に進めようとしてこなかった京都市の責任は大きい。人権特区を関係校 や外国人多数校に作るのも一案だと思う。 (PTA) ・李さんのお話に胸を打たれました。知ろうとしない私たちの無関心・無知を恥ずかしく 思います。子どもたちが差別に対して鈍感なことに心痛めています。真の意味で自由な 人間、差別に敏感で差別に不快に思える人間の育成、その具体的な提案を聞きたい。
・李さんは、苦い経験を自分の中で整理され、強い精神力で乗り越えてこられたと思いま す。人間的に魅力ある方だとも思いました。どうぞ個人的な人間的な魅力で周囲の日本 人から尊敬してもらえる人(今もそうかも)を目標にトラウマを取り去ってください。 偏見を持つ人だけではありません。 ・在日への差別が今なおひどくあることを知り、悲しく、そのために何かしないといけな いと思いました。山王小のような取り組みが、民族学級を設けていない学校でももっと 必要だろうと思います。もっと小さい頃から取り組み、中学校ではもっと深めて、ただ 思春期なので慎重に取り組んでほしい。学校に押し付けず、PTAや地域も協力するこ とが必要だと思います。 (行政) ・くわしい資料、地域説明があり、好感を持ちました。時代の変化だなあと思いました。 とにかく、祖国統一、民族統一を早く実現してほしい。同和教育から外国人、多文化共 生教育への道をたくさん議題にして討論を活発にしてほしいです。 ・第7分科会に参加したが上滑りでなく、腹をえぐり出すような声(話)の連続で驚いた。 互いを理解し合うとは、互いの違いを認めること、「人は違っているもの」とのスタン スでの人間付き合いの大切さを話し合われ、歯に衣を着せぬ話は、時の経つの忘れさせ るもので、来年も参加したい。 ・問題点と具体的な事例の羅列に終わったような気がします。どうあるべきか、何を具体 的に取り組むべきなのかの検討に時間をかけないと、結論は出ないでしょう。
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