第41回人権交流京都市研究集会
第二分科会では、東九条地域の希望の家、宇治の善法地区での善法まちづくり推進委員会、西三条地域のNPO法人あかしやふれあいネットワークのでり組みを報告していただきました。 東九条地区の報告では、「希望の家50年の歩み」を報告していただきました。希望の家は、布教を目的とせず子どもの為を一心に思うディフリー神父と保育園後援会会長をしていた、藤谷重之氏また、自宅の一部を提供した上本愛蔵氏によってトタンぶきバラック30平方メートルの希望の家が誕生しました。地域と共に差別を無くすため多文化共生社会をつくることを目指し外国国籍市民と日本人が仲良く暮らすという単純なものではなく異なる多様な国籍や出自の者や年齢、価値観の違う者さらに異なる多様な心身の状態にある者が尊厳ある人間として認め合いながら地域の構成員として豊かな生活ができる日常生活を目指し新たな実践を模索し真の多文化共生社会を目指しています。 善法まちづくり推進委員会は、厚生労働省から「隣保館モデル事業実施要綱」が出され、これをうけて2005年度から07年度までの3年間で実施するべく地域の関係団体・機関の12団体を構成団体とし善法まちづくり推進委員会が2005年5月に結成されました。 まちづくり推進委員会の活動としてこれまで善法地域で取り組まれてきた「夏祭り」「文化祭」の実行委員としての参加やNPOが行ってきた「地域交流会(会食サービス)」にも積極的に参加し協働の取り組みを行ってきました。また、一方では、隣保館の新築に伴い建物だけでなく新たにどのような付加価値を持たせていくのかを検討していく為の視察研修も行いました。その他、部落解放を視野に入れた“まちづくり”運動のあり方や主に福祉にキーワードを置いたワークショップを重ねてきました。このように善法まちづくり推進委員会では、地域の実体を把握し地区の要求を集約しまとめ直し新たな施策を要求していかなければなりません。そのためには、自主性と持続性を担保とする「ひとづくり」「ものづくり」「ことづくり」が課題となっていきます。 NPO法人あかしやふれあいネットワークの報告では、今日、少子高齢化社会をむかえ高齢者福祉行政は介護保険の導入によって利用者による選択制度に改定され、京都市・介護支援事業者・NPOなど各種団体で展開されていますが、介護保険の谷間に置かれたり制度の対象外になった人・一人暮らしの高齢者等にとっては、毎日の生活が非常に厳しくなってきているなか、高齢者の孤独死や障害のある方の親の亡きあとの問題も重大な社会問題であるとの問題提起がありました。これまで高齢者福祉をテーマに7年間活動して町内会長・自治会長など各種団体から認知されるようになったが、高齢者などの関わり方などまだまだ試行錯誤していきながら今後は、公共機関の支援体制と人材育成も大切だと新たな課題として出てきていると報告されました。
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