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第36回部落解放研究京都市集会
報告T 「同和教育の普遍化をめざした取組」 嘉楽中学校 教諭 岡本 昌人 1.「個人選択制習熟度別分割授業」のめざすもの @すべての生徒に必要な基礎基本的内容の定着を図るとともに、さらなる可能性を追求 する機会をつくる A 同和教育の理念や成果の普遍化という観点のもとに、同和地区生徒をはじめとする焦 点化生徒を伸ばしていく。 ※課題のある生徒に、本来校での普通授業の中で徹底的に力を付けていこうとする取組で ある。
2.成果と課題 【成果】 ・明確に焦点化された授業の実践 ・個人選択制自ら課題・目標の設定ができた。 ・学習に向かう力がついてきた。 ・千本4校においても方策や理念でひろがりがでてきた。 【課題】 ・最近の学力と以前の学力の比較しても、学力面で劇的な変化が表れていない。 ・まだまだ厳しい学力実態にある。 ・同和地区生徒と地区外生徒との間に学力格差が存在する学年がある。 ・中学校入学までに格差があり、学年進行と共に学力格差が広がる傾向がある。 ・厳しい状況におかれている、課題を背負わされている生徒に学力の下落傾向にある。 ・とりわけ、同和地区内に居住し、就学援助を必要としている生徒に学力の大きい下落 傾向が見られる。
3.今後の展望 ・学校や学習施設、家庭での直接的な関わりや支援がまだまだ必要である。 ・「個人選択制習熟度別分割授業」の充実に向けて、焦点化すべき生徒(=同和問題を はじめとして課題を背負わされている状況にある生徒)に焦点をあてきる。 ・どのような生活背景があるのかをしっかりと見据えて、背景にまで迫る。 ・焦点化すべき生徒の連携 9年間の連携の中で、より密度の濃い、小中連携が必要。
報告U「子どもが生き生き輝く授業をめざして」 京都市立鷹峯小学校 教諭 森田 和久 1.授業後アンケートより
(1)とことんコースのアンケートより 「自分にあっていたか 全員があっていた」「自分から進んで授業を受けることができた」「自分が躓いているところに気づけた」「また、コース別授業がしたい。」といった児童の反応が見られた。 (2)とことんコースを選択した児童の感想文から 「自分の意見がたくさん言えるようになった。」「発表できるようになった。」「わからないところでとことんやってもらえる。」「分けてよかった。」「自分がわかるように教えてもらえる。」「もっとやりたい。」など学習に対する自尊感情がもてるようになっている。 (3)「どんどん」コースのアンケートより 「自分にあっていた」「進んで授業を受けた」「自信を持つことができた」「またコース別授業をしたい。」という感想が得られた
2.複数担任による協力指導体制の成果と課題 〔成果〕 @専門性を生かして学習指導と担当教科の丁寧が教材研究=よりよい授業 A必要に応じた学習集団の組み替え=児童が生かされる。 B複数の教員が授業に関わる=学習状況の把握、適切な指導、学習指導に関わる C学習内容や児童に実態に応じた授業形態が作れる=児童が活躍できる場を作り出す。 D焦点を当てた授業の実施し、児童のそれぞれもった力を伸ばすことができる。 〔課題〕 @等質等人数に加え習熟度別分割授業を今年から初め、個人選択制に対する、児童が理 解、保護者が理解が必要である。 A小中同一教科での9年間の共通の課題を整理する。特に苦手とする領域の分析が必要 B小・中で学習指導方法や授業形態を共有化していくことが必要である。
報告V 「学びの総合化とヒューマンネットワークづくりの実践 〜幼・小・中コラボレーションによる一貫した教育をめざして〜」 松原市立第三中学校 教諭 横田 雅昭 1.取組の経緯 (1)1970年代に「荒れと低学力の克服」という課題への取組 (2)協働研究の歩み @めざす子ども像の共有化 A協働の研究組織
2.学力向上ワーキングの取組 (1)学力実態と効果測定…独自の学力診断テスト (2)クロス分析から見えてきた課題 @生活実態と学力 A学校生活の満足度と学力 B家庭学習と学力 Cテレビの視聴時間と学力 (3)課題克服のために @幼・小・中で「ねらい・指導方法・授業形態」を共有化し、カリキュラムに生かす。 A習得学習ノート(=授業・家庭学習用自主編成ノート)の作成 Bデジタルコンテンツの開発=自作教材の作成 C学習集団づくり…わからないと言える集団づくり,生活班を軸としたクラス集団づく り D人間関係作り=コミュニケーション力の向上,人とつながる力(人間関係スキル) 自尊感情の高まり→学力の向上 (4)成果としての進路保障
パネルディスカッション パネリスト 横田 雅昭(松原市立第三中学校教諭) 川北 浩史(京都市立崇仁小学校教諭) 井上 猛(京都市立楽只小学校教諭) コーディネーター 西田 晋(京都市立第三錦林小学校教諭)
〈地域・家庭との連携〉 1.松原第三中学校の実践 (1)家庭学習習慣の定着 (2)家庭学習の手引きの作成=4月当初に家庭学習のしかたを教える5教科 (3)家庭訪問指導による学習習慣の定着をねらうが、低位層の生徒にはあまり効果がない。 (4)家庭訪問週間を毎月、隔週に入れている。→焦点化生徒に家庭訪問を ※焦点化生徒=家庭に課題のある生徒、同和地区、家庭が経済的に厳しい生徒など(5)「学力ファイトクラブ」…青少年会館で毎週金曜日、保護者がお金を出し合って、 大学生を雇い、学習会を開く。(コーディネートを同和主任をしている)
2.崇仁小学校の実践 ○崇仁校区の概要 (1)土曜日のチャレンジ学習(1・3・5週目=教員が自主的に) 低学年:学びセンターで1時間程度(教師が教材を提供)その後、児童館の指導員さんと読書 中・高学年:学校で 1時間の学習、その後部活動。(2)山登り:週5日制試行のころ、地元の人々が開催。今も継続。 (3)学習ひろば:学習ひろば=地元の人が学習を見る。 (4)ビリーバーズ(陸上クラブ)結成:地元の人々の声から生まれる。夜にランニング。
3.楽只小学校の実践 ○楽只校区の概要 ○小大連携 (1)校内補習(週1回、1時間、各学年) (2)ユーアイスクエアに参加 (3)等身大の絵の制作
4.松原第三中学校の実践 (1)ハートフルフレンド (2)まなビングサポート (3)学力ファイトクラブ (4)家庭訪問
〈子どもの変容〉 1.崇仁小学校の取組から ・はじめは部活動やお楽しみに参加していた子どもたちが、学習があっても参加。 ・平素の欠席が減る。卒業式前日には、全校児童が集団登校で学校へきた。 ・忘れ物が現象。 ・校内クリーンアップなどでの子どもたちの態度がよくなる。 ・学力定着調査の結果が、全市平均、あるいはそれ以上に。 【成果】 ・年2回の祭りのお囃子の会練習での子ども達の態度のよさ。 ・ビリーバーズ(夜のランニングクラブ)に参加している小1年〜3年生の態度の良さ。 ・児童館との協力 ・上級生が下級生を見るなど、児童の態度面の成長が著しい。参観させてもらう学級・学校での取組の場面でも子ども達の態度がよくなっている 【学力面での課題】 ・児童館でまず宿題。地域も含めて学力保障の取組をする必要。 ・同和関係校を含む学校が統合するという初めてのケースで崇仁、皆山の取組が中心にな って、学力、人権についてイニシアティブとっていく。 ・地域も学校に頼らずやるということも考えているが、やはり連携してやっていきたい。
2.楽只小学校の取組から ○読み聞かせの取組などから 学生自らの提案で、朝の15分間読書を利用して、学生が児童に読み聞かせを行う。 その経験を通して、子どもとの信頼関係が生まれ、校内補習の場面でも関係がスムーズに進むようになる。新しい学生との関係を毎年つくっていかなければならない ・子どもが読み聞かせを通して、本好きになった。人との結びつきを感じてくれた。人を受け入れたことの心地よさを感じてくれた。 ・学校の教員以外の人が関わることで、人との関わり方を学んだり、人との関わりを広げるチャンスになっている。小学校の時期からいろいろな人と関わり、人との関わりのここちよさを感じられるという経験は、中学校へ行っても、高校へ行っても生きているのではないか。 ・担任が学生とのコーディネイトをイニシアティブとってやっていくことが大切。
〈地域連携の中で自尊感情を高める取組〉
1.楽只小学校 〜楽只社会福祉協議会とともに学ぶ子どもたち〜 (1)配食サービス…一人暮らしの老人にお弁当を配る (2)長寿の集い ○子どもの感想から 「プレゼントをとても喜んでもらえた。」「配食サービス〈年6回)で出会ったお年寄りに再び出会えた。」「お弁当を渡したときにとてもうれしそうにしてくれた。」「『寒いですね』というのが恥ずかしかったけど、最後は慣れて言うのが楽しくなった。」「喜んだ顔を見せてくれてうれしかった。」 (3)朝鮮第三初級学校との交流給食 (4)盲人養護老人ホーム「船岡寮」での七夕まつり・クリスマス会通じた交流
2.崇仁小学校 「まちづくりはひとづくり」 (1)地域と一体となった取組:崇仁合同運動会・持久走大会・崇仁文化祭 (2)学習場面での出会い @識字学級生さんとの交流 A職場見学 【成果】 ・児童の成長はもちろん、大人側の成長も大きい
3.松原第三中学校の取組 「人権総合学習ワーキング」 幼・小・中11年間のデザイン(全体構想図) (1)生き方学習の流れ(部落問題学習) (2)人間関係スキル (3)暮らし・進路・ゆめ(職場体験)
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