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第36回部落解放研究京都市集会
司 会 木下 松二 (部落解放同盟京都市協議会) 進 行 豊田寿美夫(京都市小学校同和教育研究会) 結婚差別事件の概要と問題提起 安田 茂樹(部落解放同盟京都府連合会書記次長) 要 員 部落解放研究東山実行委員会 記 録 鷲頭 雅浩(京都市職員部落問題研究会) *参加者 93名 2003年京都市での結婚差別事件と課題(当日資料の掲載より) (1) 事件の概要 ■はじめに昨年(2003年)7月11日、結婚差別の相談が部落解放同盟京都府連合会に寄せられた。本人の知らぬ間に戸籍謄本をとられ、身元調査によって本人も知らなかった部落出身をあばかれ、結婚に反対されているものである。 本事件は、息子の交際相手の戸籍謄本などを入手し、「同和や」と言って結婚を断念するようせまったもの。田中明くん(仮名)は、木村京子さん(仮名)と結婚したいと両親に言ったところ、両親は断固反対し、兄の哲也を含めて4人での話し合いとなった。そして、そのテーブルの上に2通の謄本を並べ、木村の本籍地を指して「同和や」、京子さんの母親である直美さん(仮名)の親元である山田(仮名)の本籍地を指して「何もない」と述べた、というもの。 明くんからそのことを聞いた京子さんは、自らが部落出身と知らなかったことともあり非常にショックを受けた。追い打ちをかけるように、明くんの父・敏行(仮名)はその翌日、京子さんの家に来て、母親の直美さんに結婚拒否を告げた。 次の日、京子さんは、電話帳で府連の番号を調べ、相談にのってほしいと電話をしてきた。事件が明るみになり、ここから取り組みが始まった。
■部落出身と知らずに育ち… 来館した京子さんと母の直美さんから事情を聞いたところ、勤務先の事務所の息子(明くん)と恋愛関係になったこと、仕事も辞めるように追いやられたことなどを語った。また、京子さんは幼いころに部落から出て暮らしていたため、自分が部落出身と知らなかった、ということであった。直美さんによれば、自分の結婚の時には「本人がいい人であれば」ということで反対されなかったこともあり、京子さんに告げる必要を感じないまま暮らしてきた、と述べた。直美さんは現在、夫の義雄さん(仮名)とは離婚しており、親戚づきあいがなくなったことも、京子さんに伝えてこなかった背景にあった。 府連としては、明くんの意思を確認したいこと、部落問題の勉強をしてほしいこと、また戸籍謄本を見せられたときのやりとりなど事実関係をくわしく聞きたい、と次回から明くんとともに来館するよう求めた。
■職務上請求用紙で司法書士が取得 後日、京子さんと来館した明くんによると、両親はかたくなで、言ったことも「言っていない」、戸籍謄本も「見せていない」と言う、とのことであった。 そこで、誰が戸籍謄本を取ったのか、具体的な証拠をおさえるため、京都市の条例にもとづいて、開示請求をするよう京子さんにすすめた。 京子さんや京子さんの母親の直美さんが、のべ4度に開示請求をおこなった。その結果4区役所にわたる請求用紙が開示された。直美さんやさらにその親である山田武さん(故人=仮名)の本籍地までさかのぼって戸籍謄本や除票を請求していた。請求理由として、裁判とか登記に○をつけてあった。直美さんには思い当たるふしはない。遺産をめぐる登記なら、親から子へと継承関係を調べるにもかかわらず、逆に武さんの除票まで請求し、前の本籍地、さらに翌日にはその前と、さかのぼって調べていた。身元調査以外に考えられるものではない。 しかし、請求者の氏名や住所など、本人を特定できるものはすべて墨塗りにされていた。しかも、請求用紙は、司法書士用の職務上請求用紙であった。 これは、弁護士や司法書士、税理士など、戸籍法戸籍法施行規則に示された国家資格のある8業種の組織だけが発行し、ほとんどフリーパスで戸籍謄本などを取得できるものである。ごくたまに不正請求が判明して処分された例もあるが、役所の窓口で使途を詳細に聞かれることもない。それが悪用されたわけである。 国家資格をもち、法に定められた準公的団体の発行する請求用紙は公的請求に準じるものであり、窓口の一般の用紙と同列に論ずるわけにはいかない。にもかかわらず、開示請求では墨塗りにされてしまった。現行の仕組みは、差別の加害者が保護されるものになっている。
■ついに請求者名を全面開示 京子さんに心当たりはないかと、京都の司法書士名簿を見せて尋ねたところ、請求用紙の筆跡から、京子さんが2002年12月まで働いていた田中敏行の事務所に出入りしていた高橋(仮名)であることが判明した。 墨塗りなしの全面開示を求め、不服申立をも準備していたところ、高橋が京都市の第3者照会に応じ、開示を承諾したために全面開示された。戸籍謄本等の請求者は、予想どおり、高橋であった。この時点で開示請求から半年が経過していた。
■被害者の父親に偽装工作せまる これらの過程で、田中敏行が京子さんの父である木村義雄さんを呼びつけ、偽装工作を依頼していたことも判明した。昨年12月に、京都市が敏行に事情聴取に入った当夜の動きであった。高橋司法書士に戸籍謄本などの取得を依頼したのが、義雄さんであったことにしてほしい、というものである。過去に面倒をみてきたことのある義雄さんの義理がたい性格を利用し、結婚差別の隠蔽工作を実の親にさせようとした、きわめて悪質な行為である。義雄さんは、敏行に恩義を感じながらも理不尽な要求を断った。
今回の事件について、府連として京都市に提起し、京子さん、直美さん、明くんをまじえ、2者、あるいは3者での協議をおこなってきた。現在、府連と京都市行政のそれぞれが、高橋司法書士や明くんの両親に事情聴取をつづけ、取り組みをすすめているところである。
(2) 取り組みの経過 これまで、府連として高橋司法書士に2度(直美さんと共に)、明くんの両親である田中夫妻に3度、事情を聞いた。京都市も高橋司法書士に2度、田中夫妻に2度、事情聴取をおこなっている。 これらの事情聴取によって、以下のようなことが浮かび上がってきた。(以下口頭)
(3) おわりに 私たちは日々幸福に暮らしていきたいという願いをもっています。幸せはそれぞれのおかれている立場によって求めるものが異なると思います。例えば、病気がちな人は健康になりたいと願います。また、金銭的に苦しい生活をさせられている人はお金持ちになりたいと思うことでしょう。いずれにしても求めるものは異なっていても努力して手に入れるという営みは同じです。しかし、差別によって努力しても報われないことがあることが大きな問題なわけです。この差別は何のためにあるのかといえば、一部の人々が安定して贅沢な暮らしをするために残しているわけです。そのために象徴としての天皇・天皇制をおいていくことで人にはもって生まれてランクがあることを意識づけているわけです。その対極にあるのが部落差別なのです。差別はその差別されている人々だけの問題と考えている人が多いわけです。そして、差別される個人に問題や責任があると思い込んでいます。しかし、差別の結果がさまざまな現象を生み出していることの理解にまでいたっていません。ましてやその対象がなくなれば次は自分にその順番がまわってくるなどとは全く考えていないわけです。ましてや差別事件などは一部の遅れた意識の人々が何も知らずに引き起こしているわけではなく、差別を日常的に温存助長するために行っているのです。 差別は「差別しないように心がけましょう」という心の問題ではなく、現実の生活や人生に直結しているのです。このことを十分理解することが大切だろうと思います。 これらの意味において部落問題の正しい理解を求めるための研修が取り組まれてきました。その結果一定の広がりがみられるようになってきました。またこれらの研修でのアンケートなどの結果研修会に多く参加すればするほど問題を正しく認識している人が増えていることが明らかとなってきました。 しかし、回を重ねるまで参加する機会があればいいわけですが、そのチャンスに恵まれない人々もいます。また、講演形式の研修も大切ですが、どれほどの人々に内容が浸透しているのか少し疑問に感じたりもしてきました。そんな時、小グループに分かれての参加型研修会いわゆるワークショップに参加してみて自分の意見が言えること、そして意見を受け止めて返してくれる喜びに出会ったのです。これが人と人がつながるということなのでしょうと感じました。また、このような出会いからなるべく多くの人々とつながってみたいと思いました。こんな素朴なことから今回の「啓発」分科会では何としてもワークショップをすることが良いのではないかと思い取り組んでみました。 本日は討議の柱として、2003年京都市結婚差別事件を中心に、グループ討議を進めていきたいと思います。
【ワークショップ】 豊田 今日は参加型学習会としてのワークショップをします。このようなワークショップ形式の分科会は部落解放研究京都市集会では初めてだろうと思います。こんな結婚差別事件がこの社会にあることについて自分としてはどうなのか、この場で何か一言でもしゃべっていただきたい。 テーマは、結婚差別です。誰しも結婚差別はだめ、身元調査はだめというのは思っているのに、なぜ起こるのか。差別がいけないという自明の真理が世間の常識ではないというのはなぜか。世間の常識にはなっていなくても、自分の常識にはなっているのかどうか。ちょっと違う心があるというかもしれない。そのようなところをこのあと話してほしい。本日のワークショップで意見のキャッチボールをしながら、今自分が何をすべきかを自分として考えてみてください。 まず、グループ討議の進行役を決めてください。次に記録、発表者を決めてください。 話の切り口はいっぱいある。制度の問題もあるが、最初に結婚に反対するのはその人の心の問題です。制度ではなく、心の問題から攻めるのもよいかもしれない。その進め方はグループの中で進行役の下に決めてください。まず、自己紹介から入ってください。
(各グループからの発表) 9班 最初に語られたのがPTAの方でしたが、実際に身近に結婚差別を受けられて、これとよく似た話があったということだった。また、職場でこのような差別を受けたけれども、何年か経って徐々には進歩したかもしれないが、職場全体の中で、結婚差別や同和問題に対する意識が、身近なところで、知識とか理解の高い人もいるけれども、まだ全体のものになっていないという話があった。あと、学校の中で、同和地区を含んでいる学校と含んでいない学校とで教職員の意識に違いがあるという話が出ていた。和歌山からの参加者からは、和歌山と京都では違う。京都では本音と建前の方がわりと根深いものがあって、同和問題については、陰で潜んでやっているところがあって、こういう話は、中学の卒業生の中でもいっぱいあるという現実の話が出た。
5班 まず、今日の感想のところから入った。京子さんが自分が部落出身であることを知らないことが問題ではないか。このごろ、親があまりそのことを子どもに伝えなくなってきているということで、もっと子どもにも正しい認識を持たせる必要があるという話が出た。それに対して、確かに、このごろは、結婚する時に自分が同和地区出身であることを母親が伝えるということがあって、その時、娘さんも自分の大切な好きな人にそのことをうまく伝えることができないといって苦しんでいるという話もあった。大人になってからそういうことを知ることで、大きなショックを受ける様子を見て、やはり小さいうちからそういうことを伝えておく必要があるのではないかという意見が出ている。
豊田 私は、この結婚差別の話を聞いた時に、弥栄中学がやられている人権劇の「生きる」シリーズというのが頭に浮かんできました。今年も東山実行委員会の本集会で「生きる4」を演じまして、「生きる1」〜「生きる4」では、少しずつテーマが違うが、特に「生きる2」のお父さんが身元調査を出してやる場面は、まったく一緒ちがうかという感じです。そういった時に、現実に、その人の立場、自分もそうだったらどうだろうとかまでなれるかどうかが、この問題を考える時に重要だと思う。実際に差別する心を持って人を差別するということはたくさんある。だからこういうところで話して自分の感覚を磨かないとあかん。できたら、こんな話を聞いた時に、自分はどう生きていくんやと、私やったら今これやることがそういった差別の問題に立ち向かうことになるんだと。また、実際に自分の差別する心とはどういうものだろうと。そういった意見に発展すると面白いと思う。
2班 結婚差別の話をする前に、保護者の一人の方から、子どもの結婚相手が気になることと差別はどう違うのかという意見があった。親として子どもの結婚相手が気になるのは当たり前だから、それと差別はどう違うのか、その中で、自分の責任のないことで、努力してもどうしようもないことで反対するのが差別であるという話を受けて、その後、この問題についての原因と背景についていろいろと考えた。また、人権感覚について、知識、制度について、それから不安と書いているが、本当に自分の子どもが信頼できているのであれば、どこに住んでいようと、本人が頑張って努力してその壁を乗り越えていけるのではないかという意見が出た。それと最後にどう生きるかということだが、自分の考えをしっかり伝えて、また自分の認識も高めていって、それといろいろな場を使って相手の考えを学んでいったらよいのではないか。それと自分が職場で経験したことを家で話したと、それで子どもの方から将来自分が同和地区に住んでいる人と結婚したいということになったらどうするんやという話を実際に家庭でもされたという人もいたので、やはり、こういう場以外にも家庭でも、そういう話し合いが必要ではないかということでした。
7班 最初に感想について話した。その中で、明さんの両親の世代と明さんの世代とで考え方のギャップがあるだろうからその辺のところをまず話した。まず、親の世代の考え方というのは、田中さん夫妻というのは、現在でも納得していないというようにかなり思い込みがきつくて、なかなか腹の底から説得するのは難しいかもしれないという意見が出た。それから親の世代ということで、京子さんのお母さんの結婚の時に、特に反対もなかったということで、相手さえしっかりしていればという考え方で京子さんには言っていなかったということだが、やっぱり言うべきであったという意見が出たのと、ただ、うちの班のメンバーの中にたまたま知り合いの人で同じような立場の人がいて、同和地区で生まれたが今は離れている人が、そのことを子どもに伝えるべきかどうかを本当に迷ったと、何年も迷って勇気が要ったが、結局は、子どもに伝えた。でもなかなかそう簡単に言えるものではない、言っておくべきだったと思うけれども現実的にはなかなか難しい面もあるだろうなという意見が親の世代の考え方として出た。それから子どもの世代の考え方だが、結婚というものは二人でするものだから、昔みたいに家と家とで結婚するという認識は薄いという意見も出た。今回の場合は、田中さんの家の事情もあって、なかなか明さんもそういうことに踏み切れていないが、また、明さんの性格がもう少しはっきりしないというか、この事件から1年8ヶ月経っても未だになかなか方向が見えないということで、明さんももう少ししっかりしてほしいという意見が出た。それから明さんのお兄さんの大介さんの話がほとんど出なくて、存在感が薄いのではないかということで、普通なら、兄弟なら、両親と明さんをつなぐのは大介さんしかいないので、大介さんがどうしたのかという意見が出た。最後に、仮に7班のメンバーが、今回の関係者に絞ってひとこと言う場合はどんなことを言うだろうかということだが、まず京子さんに対しては、明さんの両親から人間性まで否定されるようなひどい扱いを受けてかなりへこんでいるだろうと、ただ、自信を持って頑張ってほしいと言いたいという意見があった。明さんの両親には、あなた方のしていることは他人を本当に傷つけているということを理解してもらいたいという意見があった。それから、明さんにですが、まずあなたがしっかりしてくださいという意見、兄弟であれば絶対に相談にのってくれるから、大介さんと相談して二人で組んで親に話をすることも必要ではないかと、親はいつかは分かってくれると思うという意見が出た。また、親を説得できなかったら結婚してもうまくいかないという意見も出た。それから、ぼちぼち明さん自身の考え方、一定の方向を決断すべきではないかという意見も出た。それから京子さんのお母さんに対して、とにかく娘さんを信じてくださいという意見が出た。最後に大介さんへということで、兄弟なんだから、明さんと親の間に入ってなんとか良い方向にまとめてほしいという意見が出た。
?班 うちの班では時間がなくて結婚差別まで行けませんでした。とりあえず娘の立場、親の立場という切り口から入った。娘の立場としては、部落出身やということをほかの人から聞く前に親から聞きたいという意見と、親の立場からするとタイミングとかもあるし、急に座らせて「あんたはな」と話をするのもおかしいし、言いにくいという意見。言う必要がない。会うか会わないか分からないから、しんどいことは最初から知らなくてもよいという意見と、分からなければよいではなくて言わなければあかんという意見も出ていた。もし自分が部落差別にあったら、子どもには絶対に伝えなければならないという意見があって、娘の立場と親の立場でギャップがあった。この二つのギャップを埋めるのは、地域の力とか、学校ではないかという話になった。私事だが、先日、銭湯で地域のおばちゃんとしゃべっていたら、弥栄中学校がテレビに出たという話から、部落差別は難しい問題やという話になって、結婚差別の話もしていて、自分としても勉強になった。自分自身、部落出身であることが生きていく上での強みになっている。いろいろな人と部落問題などについて話をする上で、しゃべればしゃべるほどいろんな思いを知って自分の強さになるし、自分ではこれからもそれを生きるエネルギーとして生きいきたいと思っている。
10班 知識としては知ってはいたが、具体的に生の声を聞くということが少なかったので、まずそういったことから具体的な話を聞くことができた。田中敏行さんのことでそういうふうに言わなければいけなかった背景もあるのではないか。正しい認識をできるだけの教育を受けて来られなかったのではないか。親による影響が非常に大きいと思う。これから、私たちが子どもたちにこういう問題について教えていく時に、自分が子どもや親に語れるだけのものを身につけていなければ全然伝わらないし、大人たちが子どもたちに正しい認識をつけていくことが非常に大事だと思った。 お父さんの周りの背景の人のことをどこまで理解できるかがすごく大事になっていくので、今の子どもたちに伝えていかなければならない。その子どもたちが大人になった時に、こういうことを周りの目としてしっかりと皆が分かった上で、皆で戦おうやと言えるようなそういう社会をつくることが大事だということが最終のまとめになった。 3班 最初に気になる点やそこからこう考えたということを話してきた。明くんの両親に問題があるという話が出て、身元調査が悪いとも思っていないことや、部落に対する悪いイメージを持っていて、自分が経験してきたことからではなく、親から聞いたこととかからイメージを持っているという問題点があがってきた。でも心の中から変わっていくことは難しいので長い取り組みが必要だという話になった。昔は、親が反対だったら子どもは親の言うままだったが、明さんは親に対して自分の考え方を言っている。そういう若者を増やしていくべきだという話が出た。高橋司法書士については、免許を取り上げるなどの処分があってもよいのではないかという話も出た。明さんとご両親の関係はどうなのかなと、親に対して働きかけていくことが大切だということと、田中さんのご両親のような考え方の人をなくしていく取り組みが必要だという話になりました。その働きかけとしては、ご両親に東山実行委員会に参加していただいて、一緒に勉強してもらうというような積極的な働きかけが必要だと、でもなかなか難しいだろうなという話になった。 まとめとしては、何ができるかということで、何がおかしいかしっかり言えるように勉強していく必要があるということと、反対されたまま結婚するより、周りに祝福されて結婚するのが一番だということで、皆に認めてもらって結婚するには、啓発とか働きかけが必要であるということと、差別はあかんと思っていても、自分の子どものことになったら別の話だという人に対する働きかけをどうしたらよいのかという話し合いがあった。その中で働きかけをするには勉強が必要である、同和問題学習などを子どもたちに教育の場でしていく必要があるということと、関係校以外の取り組みも大切であるということが出た。東山実行委員会のように、いろんな人が集まって勉強会とか啓発をすすめていくことが一番いいのではないか、田中さんの両親をこの場に呼んで一緒に勉強会をしていって、人と人とのつながりをつなげていくことがこの問題を解決するうえで必要であるという意見が出た。 1班 部落差別への思い、結婚差別、特にこの問題は結婚したら解決なのか、どうなったら解決なのかということを話し合った。これから自分の問題としてこうしていきたいということで、うちの班は教師が多かったので、支え合う人間関係をどんどんつくっていかなければならない、何でも自分で言える、そして言ったことをちゃんと受け止めてもらえる仲間づくりがしたいということ、最終的にどんな世の中になったらよいかということで、今日のこの班のように何を言っても安心できる、分かってもらえる仲間づくりがほしいな、そういう世の中にしていきたいなということで、自分がどう生きていくべきかという話をまとめた。 4班 社会制度の改善と法律の見直しということを話していた。あと学校教育、家庭とのつながり、子どもに対する??さなどの意見が出されました。最後に人を変える前に自分を変えるという話になりました。 個人 この中では私が一番高齢者だと思っています。私も部落出身です。実際母親として部落に生まれていたら、母親として本当に自分が自信があれば子どもにも言えると思います。だけども自分に自信がなかったら、いざ結婚する相手が一般の人やと言われたときに自分の娘であったら言えるけれども、主人が一般とか、本当に自分が部落やったら子どもに言えると思うが、主人が部落で自分が一般やったら言えないのと違うかと私は思っている。部落に生まれても、部落問題をしっかり教えていなかったら中途半端であれば子どもは迷っていくと思う。部落に生まれた母親やおばあちゃんとして自分を変えていける人にならないと子どもには言えないと思う。こういう場であるから正直に言える。今日参加した皆さんは、しっかりと自分を変えていってほしい。先生であれば先生らしく、お母さんはお母さんらしく、子どもは子どもらしく、共に三者が話し合うことが大事だと思う。先生や公務員は、本当に困っている人が誰なのかということを認識していただきたいと思う。時間さえ済んだら帰ったらいいとか、仕事外やとかいうことの認識を持っている人が多いと思うが、本当に困っている人があったり、相談の人があれば、時間外でも、弱い人の立場を考えながら相談してやってほしいと思う。
司会 長時間であったが、非常に楽しくされているという感想を持ちました。今後もこういう形でいろいろな立場の人が交流できる場を設定していきたいと考えています。これで本日の第2分科会を終わります。
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