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 ごあいさつ

第51回人権交流京都市研究集会

 実行委員長 村井 一成   

  第51回人権交流京都市研究集会に御参集されました皆様方におかれましては、日頃から、部落問題をはじめとしたあらゆる人権問題の解決に向け、自らが積極的に地域や職場などで御尽力をされておられることに、心より敬意を表します。

 さて、私どもの集会は昨年で50回という節目を迎えました。半世紀にわたり差別を許さないという多くの方々の強い思いが結集し、汗の結晶として命の尊さを訴える崇高な理念を紡ぎながら歴史が刻まれてきました。

改めて、この集会の意義と重みを鑑み、長い道のりがあったわけですが、2020年という節目の年に新たな気持ちで第一歩を踏み出さなければという強い思いに駆られます。

 そこで、これまでの取り組みを振り返りますと、1970年当時に、「部落解放京都市研究集会」として産声をあげ、2008年からは、「人権交流京都市研究集会」と改称し、部落問題はもとより、現存する様々な人権問題の解決を目的に、より広く人権について共に考える市民集会として、これまで培ってきた経験や成果を踏襲しながら強化・発展させてきました。

 そして、2016年にはその私たちの取り組みの結果として、多くの連帯する組織・団体の仲間と共に勝ち取った、「部落差別解消推進法」をはじめとした多くの人権にかかわる個別法が施行されるまでに繋がりました。

 しかしながら残念なことに、未だ、悪質且つ卑劣な差別事象の報告は後を絶ちません。法規制を逃れるかの如く、表面的には見えづらい、誰が書き込んだか分かりにくいネット上に、部落の地名が公然と流布されています。差別的な書き込みも多く、その人権侵害は凄まじいものがあります。今の混沌とした社会現象と軌を一にして、その矛先を弱者に向ける、悪質・陰湿な人権軽視が見受けられます。

 同じく2016年に「障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ対策法」が施行され人権3法と呼ばれていますが、国民を守る立場の国会議員さえ、躊躇なく人権を侵害・否定する差別的な暴挙が横行され、人権意識の低俗さに憤りしか感じません。多くのいじめと差別が続発しています。そういった意味では、個別の人権法にとどまらず、包括的な総合法の制定を求め、人権侵害の被害者を救済する、人権侵害救済法や差別禁止法の制定が求められています。差別で命を落とすことのない法制定の実現を目指さねばと考えます。

 本集会の本質は「交流」です。様々な立場や想いがある中で、意見や討論を通して、違いがあれば理解しあい、認め合うことが今後の発展に繋がり、差別の壁も低くなっていくものだと思います。

 私たちの人権に対する熱い思いを、この2020年の節目に、そして、更なる飛躍を成し遂げるためにも、集会スローガンである、「めざそう!共生・共働の社会創造」の実現に向け、活発な論議をして頂くことをお願い申し上げ、実行委員会を代表してのご挨拶とさせて頂きます。

 

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