しかしながら残念なことに、未だ、悪質且つ卑劣な差別事象の報告は後を絶ちません。法規制を逃れるかの如く、表面的には見えづらい、誰が書き込んだか分かりにくいネット上に、部落の地名が公然と流布されています。差別的な書き込みも多く、その人権侵害は凄まじいものがあります。今の混沌とした社会現象と軌を一にして、その矛先を弱者に向ける、悪質・陰湿な人権軽視が見受けられます。
同じく2016年に「障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ対策法」が施行され人権3法と呼ばれていますが、国民を守る立場の国会議員さえ、躊躇なく人権を侵害・否定する差別的な暴挙が横行され、人権意識の低俗さに憤りしか感じません。多くのいじめと差別が続発しています。そういった意味では、個別の人権法にとどまらず、包括的な総合法の制定を求め、人権侵害の被害者を救済する、人権侵害救済法や差別禁止法の制定が求められています。差別で命を落とすことのない法制定の実現を目指さねばと考えます。
本集会の本質は「交流」です。様々な立場や想いがある中で、意見や討論を通して、違いがあれば理解しあい、認め合うことが今後の発展に繋がり、差別の壁も低くなっていくものだと思います。
私たちの人権に対する熱い思いを、この2020年の節目に、そして、更なる飛躍を成し遂げるためにも、集会スローガンである、「めざそう!共生・共働の社会創造」の実現に向け、活発な論議をして頂くことをお願い申し上げ、実行委員会を代表してのご挨拶とさせて頂きます。
戻る