| 午前9時30分〜12:00 ・主催者挨拶・来賓挨拶・基調提案・集会宣言
全体集会 記念講演
:森口 健司さん
T-over人権教育研究所・人権こども塾共同代表
「ひとごと」から「わがこと」へ
〜語り合い、夢を託す〜

「部落問題」について、ごく普通に自由に語り合える社会をめざすことは、第57回を数える私たちの集会が、その当初から目的としてきたことです。部落差別は、眼の前でのあからさまな侮蔑的言辞はなくなり、当事者の収入状況や生活改善は進んだと言われています。しかしその反面、社会にはますます見えにくくなり、自らを明らかにすることは、ますます難しい状況を生んでいます。近年はSNSを通じた差別書き込みや、部落の地名をネット上で暴き訪れる動画などが氾濫し、課題がいっそう陰湿化する状況で、他者に名指しをされる「アウティング」、自らの尊厳と解放を願い表明する「カミングアウト」。この両者に横たわる断絶の中で、被差別当事者は生きていくこととなり、その苦悩は深まっています。
森口健司さんは部落民として自らを明かすことができず苦悩した青春時代を経て、その解決をめざすために教師となります。ご自身の存在や体験を「資料」としながら部落問題をほとんど知らない人たちに、「わがこと」として伝える活動は、確かな手ごたえを学校に、社会に与えてきました。まるでスダチの苗木が大きく育ち、豊潤な香りで満たすように。私たち一人ひとりが、その共感の輪を広げていける機会にしていければと考えます。
|