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第42回人権交流京都市研究集会

第5分科会

   「自由討議」

―わたし自身と差別問題―

 

 

 

司会・分科会責任者の松田國広さんから、「部落問題について市民が本音で話し合う自由討議の場」としての分科会の趣旨が話され、活発な討議が呼び掛けられた。

始めに広瀬光太郎さんが、自身が管理人として勤務する東三条市営住宅の現状について報告した。

初期に建てられた改良住宅は、居住面積が32平米程度と狭い。5階建でエレベーターは一基あるだけ、建物から外へ出るには数段の階段があり、高齢者には生活しづらい構造である。入居者は高齢の単身世帯が多く、建物ごとの入居率は40〜60パーセントで空き部屋が多い。不要になった家具等の大型ゴミを下ろすことができず、廊下に放置されている。防災上、問題が多い。

比較的新しい高層住宅には子供がいるような若い世帯も多く、入居率も80〜90パーセントある。空き家の少ない棟では自治会も組織され、管理事務所に対する要望も自治会を通して行われる。空き部屋と高齢者の多い古い住宅は自治会もなく、屋内の電球の取り替えなども個別に管理事務所に言ってくる。

どの棟にも、かって町内会単位にあったお地蔵さんが祭られている。

花見小路通りに面しては1階が店舗付き住宅になっているが、シャッターを下ろしている店が多い。三条京阪から数分という便利な場所にあり、コミセン、診療所、保育所、福祉センターなど公共施設が地域内に整備されているのに、このように空き部屋、空き店舗が多い現状はもったいない。やり方によっては、もう少しにぎわいを出せると思うが。

 最後に、先ごろ建設され、まだ未入居の住宅を紹介した。居住面積は広く、各戸に風呂がついている。

 以上の報告をたたき台に、質疑応答、議論が行われた。

 コミセンの利用実態、指定管理者の選び方、空き部屋問題や市営住宅の将来構想、同和地区と福祉地区の違いなどに質問が出た。

コミセンの貸し館は、現在は申込み順になっている。大学生のクラブ等が受付開始と同時に申込み、地元の青年グループが借りられない実態がある。現在は無料だから複数のコミセンに申し込んでいる学生クラブもあると聞く。4月からの有料化が、どのように影響するか。

住宅入居者の一般公募を実施した市内の他地区の事例、留学生を入居させた地区の事例について報告があった。

京都市は同和行政の属地属人主義をとり、同和施策の対象地区とされる旧「エタ」部落と施策対象から外された旧「非人」部落を福祉地区として同和施策以外の施策を実施した経過、東三条はこの二つの地区が隣接している事を説明された。

現状でも経済力のある者は部落から出て、部落は高齢者と経済的弱者の住む地域となっている。市営住宅を現状で放置することは、部落をますます経済弱者の集住地域とする。

等々の意見が出された。

 

 

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